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中学生時代まではJ-POPばかり聴いていた。高校時代も基本的に変わらないが、 enyaというアイルランド人の女性歌手にかなりはまってしまう。
enyaの特徴は、彼女自身が音程を変えて歌ったものを多重録音している点で ある。人工的な技術であり、賛否が分かれそうではある。しかし、同じ声が合わさって いるのであるから、通常の合唱よりずっと滑らかであり、またより曲に溶け合っ たものになっている感じがする。ちなみにそうでないものもあり、これもまた美 しく感じる。曲の形式は単調であるが、それでいて想像力を喚起するものである から不思議である。
大学時代(これを書いている時点では現在)は、バッハ、ドビュッシー、ラ ヴェルを中心に、クラシック音楽を聴いている。きっかけは、MIDI音源で聴いた、 ラヴェルの「水の戯れ (Jeux D'eau)」であった。(個人的には、透明感を保ち ながら、出来るだけ同じテンポで弾いて欲しいと思う。)いまでは、この水の戯れと、 バッハの「ブランデンブルグ協奏曲」、ドビュッシーの「沈める寺」、ダイソー の100円CDで手に入れた、ホロヴィッツの弾いたラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3 番」を好んで聴いている。
「水の戯れ」に関しては、「これだ」と思う演奏家はいまだ見つかっていな い。
ドビュッシーの「沈める寺」はAlice Aderが私の感覚に近い。このピアニストは 日本ではほとんど知られていない(2chのクラシック板ではレス無し)が、「あ んぐらCD博物館」で絶賛されていたので聴いてみた次第である。冒頭のピアニッ シモからして、深い静けさを以って(profond'ement calme)['eは、eにアクサン ・テギュがついたもの(文字化けするかも知れぬがéのこと)]という指 示を最も良い形で表現していると私は感じた。なお、ミケランジェリのような明 晰な演奏を好む方には、もしかするとこの演奏家は 余り好まれないかもしれない。
Samson Francois (cはcセディーユ(ç))は出来不出来の差が露骨に 出てくるが、出来るほう、とりわけ「映像」が気に入っている。「運動」はかな り生気がみなぎっているように思う。
最後に、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲」のVladimir Horowitzであるが、ダイ ソーの100円CDの中ではおそらく1、2を争う名演であるといえよう。録音の悪さ さえ気にしなければ、超絶技巧と表現力のアウフヘーベンを垣間見られるに違い ない。あれだけの速さで、なお表現を余り崩していないのだから、ただただ驚愕 する。打鍵も極めて明晰である。ちなみに、1953年(だったかな?)のカーネ ギー・ホールのライブCDで、珍しくドビュッシーの「人形のセレナーデ (Serenade of the Doll, タイトルはEnglishです))」を弾いているのだが、ぎ こちなさをスタッカートできちんと出していたのはよかった。人によっては、こ れをさっさと引いてしまうので、子どもっぽさが完全に抜けてしまうのだ。場合 によっては滑らかさをきちんと捨ててくれるホロヴィッツはやはり最高のピアニ ストだ!